ブログ

建設常任委員会 中播磨管内視察

 建設常任委員会の管内視察で、23日の中播磨管内視察に続き24日は太子、上郡、佐用など西播磨管内を視察。

 ご存知の通り佐用町では平成21年の台風9号による豪雨災害で18名の死者を出すなど甚大な被害となりました。台風9号による最大時間雨量は81mm、24時間雨量は326mmと、過去最大を更新するほどの集中豪雨となりました。平成21年度から始まった千種川及び佐用川などの災害復旧工事は佐用町から上郡町にかけて堤防のかさ上げ、川底掘削、川幅拡幅など総延長約55kmの区間で行われ今年度27年度でほぼ完了する見込みです。(総事業費約222億円)

 被害の大きかった久崎地区では川幅を最大で25m拡幅(写真下)。河川復旧工事の基本的な考え方として、千種川最下流赤穂市付近の河川流量容積を基準に、それを上回らないよう上流に向け河川拡幅、川底掘削、堤防かさ上げを行うという事です。当たり前の事ですが、上流の河川流量容積が下流を上回ってしまえば下流で河川氾濫が起こるからです。

千種川水系災害復旧工事  ←青字クリック

  豪雨対策は、豪雨を流す対策と溜める対策が同時に必要とされています。佐用水害の大きな特徴として、土砂崩れなどによって発生した流木が 河川橋脚などに引っかかり河川の流れを大きく変えてしまった事も挙げられています。当時、流木の切り口を県の委託機関が調査を行っていますが、土砂崩れによって根こそぎ流れてきた流木もあれば、森林に放置されていた切捨て間伐の流木も相当量(3割程度?後日確認)あったと報告がされています。現在、安い外材の輸入によって、国内木材が売れなくなり伐期を迎えたスギやヒノキがうっそうと森林を埋め尽くしています。間伐を行わない森林は日光が入らなくなり下草が生えず土砂崩れを誘引します。間伐を行った森林では、間伐した間伐材が売れないため森林内には切り捨て間伐が大量に放置されたままとなっています。 ご存知の通り、森林には多面的な機能があり、豪雨を溜める治水機能もその一つです。人が一度手を入れた森林は人の手によって管理しなければ自然の摂理が大きく狂ってしまいます。

 いま地方政治では、地方創生が大きな目玉となっていますが、自民党が進める呼び込み型と開発型の地方創生ではなく、地域の地場産業を活かした地方創生こそが必要です。TPP交渉も8月の大筋合意が報道されていますが、農業をアメリカに売渡しては国土の保全も地方創生もありえません。昨日から神戸新聞の連載で宍粟市の林業再生も連載されています。しっかり学んで県政にも活かしたいと思います。

トラックバック

コメントはまだありません

コメントはまだありません。

コメント

コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。

メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。