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地域包括ケアシステムの現状と課題

 9日、近畿6府県議員交流フォーラムが奈良県庁で開催されました。県議交流フォーラムは毎年1回開催されていますが、新人議員の私は初参加。本会議場で全体討論の後、各分科会に分かれての討論がされ私は表題にある「地域包括ケアシステムの現状と課題」の分科会に参加しました。講師は奈良県立医科大学の今村知明先生、ユーモアも交えながら的確に現状と課題を報告して下さいました。

奈良県庁

県庁の真正面が奈良公園。少し早めに着いたので「鹿せんべい」を買って鹿にあげていたら、そこら中から鹿が走ってやってきて周りを取り囲まれ観光客が通過する中、恥ずかしいやら怖いやら・・。

 「地域包括ケアシステム」とは端的にいうと、高齢者が爆発的に増加する2025年を見据え、医療病床・介護施設(国は事実上の医療病床削減、要介護3以上の介護施設入所原則禁止を打ち出している)では対応しきれなくなる患者・要介護者を在宅医療・在宅介護・在宅看取りに転換するシステムのこと。ただ、在宅に転換するとしても、厚労省推計で2025年に全国で介護人材は37.7万人不足、訪問看護師不足については不足人数の推定もされていません。今村先生独自の算出によると奈良県内では看護師が1300人不足し、地域の在宅医療を担う若手医師の確保も非情に困難。という報告がされました。

 討論では「看取り」についての活発な議論もsされ、今村先生曰く「(先端医療を駆使し)死ねるもんなら死んでみろ!と、医師がよってたかって延命治療する時代から、延命治療をしない看取りを考えなければならない時代がきている。しかし、それを誰も言い出せない」、共産党和歌山県議は「地域ケアシステムでは、在宅看取りを国が押し付ける形になっている。看取りの考え方は極めて個人的なもの。国民的な議論や家族内での議論が全く不足している」と。全く同感。

 今村先生のまとめ報告では「見通しが示せない暗い討論になってしまいました」「医療・介護従事者、家族の全員が痛み分けすれば、最悪の事態は避けられる。痛みを受け入れてもらうのが地域ケアシステム」と。討論を踏まえての率直なまとめをされました。今日の交流会はタイトルの通り、地域包括システムの現状と課題が率直に出され大変勉強になりました。地元でも報告したいと思います。

地域包括ケアシステムの現状と課題 ←プロジェクター資料をPDF化しました。大変わかり易いのでご覧下さい。

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