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パナソニック姫路工場「液晶TV撤退問題」で県知事に申し入れ

 6月9日、金田峰生国会議員団兵庫事務所長(代理)と日本共産党兵庫県議団は、パナソニック姫路工場の「液晶TVパネル撤退」問題で、兵庫県知事に対し申入れを行いました。県側の応対は金澤副知事、企業立地推進室長ら。

 パナソニック姫路問題対県申し入れ書 ←青字クリック

  申入れでは、県が多額の税金投入しながら、尼崎の3つの工場の全面撤退につづく姫路工場の「TV液晶撤退」問題について、「県政のあり方を厳しく問わなければならない」と指摘。

 県議団は、①非正規も含めた全ての雇用の継続、②同社の今後の計画を明らかにすること、地域経済への影響調査、③補助金支出の停止、支給金額を返還させる、④企業立地補助金を廃止するなど、「大企業呼び込み型」政策の見直し、中小企業振興条例にもとづく中小企業・地域産業への支援策、の4つの点を申入れ。

 各県議は、「補助金を支出している立場から、雇用の継続など強く迫るべき」、「姫路市民の要望は雇用の安定。オープニングスタッフ100人は派遣。税金支出の目的が果たせているのか疑問。税金の使い方をあらためるべき」などと主張。

 金澤和夫副知事は、「地域経済を救うため企業側とやりとりする。影響を注視していく」「今回は、工場閉鎖でなく、産業用パネルなどに中身を変える。軌道にのってほしい」「状況をみたい」と答えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

  パナソニック姫路工場に対しては兵庫県から70億5千万円、姫路市からは80億円、併せて約150億5千万円の補助金支出が決定しており、平成28年度現在で既に約135億円が支払われています。姫路市の企業立地補助金支出要綱では補助金支出目的のひとつに「市民生活の安定に資する」となっています。

 姫路市が市民に対して行ったアンケート調査では、市政に望むことの第1位が「効率的な行政運営」で、それに続いて「雇用の安定」となっています。しかし、同じアンケートで市政満足度の最下位は断トツで「雇用の安定」となっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パナソニック姫路工場は、地元新規雇用者を100名と公式発表しています。しかし、パナソニックは正規・非正規の雇用形態については一切明らかにしていません。ただ、行政は地元新規正規雇用者を確認しておらず、オープニング時に新聞折込された「派遣社員100名募集」の求人広告からしても、地元からの新規正規雇用者は皆無だと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 巨額の誘致補助金が立地選定の決定要因になったのかどうかについても疑問です。姫路市が行った「企業立地推進政策に伴う経済波及効果の調査・分析業務」報告書によると、「奨励金の交付が受けられること」という回答もありますが、断トツのトップは「インフラが充実していること」となっています。ちなみに兵庫県は北海道に次いで高速道路延長距離は全国2位となっておりインフラ整備は十分に整っています。

 県市合わせて150億円もの巨額の補助金支出を決定しておきながら市民の切実な要望である「雇用の安定」を実現することができず、巨額の補助金支出目的にもなっている「市民生活の安定」も達成できず、補助金が立地選定の決定要因になったかどうかの「効果の測定」も十分にされていません。

 姫路市でも、大企業を応援すれば、大企業の利益が家計・賃金へと滴り堕ちてくるというアベノミクス型経済政策の破綻が明らかです。税金の集め方、使い方、働き方の根本的転換が必要です。

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