平和憲法9条守る力 姫路から強く大きく
6日、日本共産党県議団は、兵庫県一般会計補正予算案に反対しました。ねりき恵子議員が反対討論を行いました。
反対理由の要旨は、浜坂道路、東播磨道路のような大型公共工事では地域企業の受注率が限定的だからです。浜坂道路は約70%、東播磨道南工区は約75%が高架区間となっています。高架区間の工事は、特殊技術を必要とする橋梁上部工事を伴う工事が多く地域企業の受注率は限定的です。
国土交通省が示した第二次補正予算案の基本的な考え方は、4本の柱として「一億総活躍社会実現の加速」などを挙げ、その上で「予算の執行にあたっては・・地域企業の活用に配慮しつつ・・発注等に取り組む」とあります。
しかし、これまでの浜坂道路の発注実績を見ると、工事発注件数67件、工事契約額約280億円に対し、県内企業の受注件数は55件、契約額は約100億円にとどまっています。一方で、特殊技術を必要とする橋梁上部工事は7件ありましたが、その全てを県外企業が受注し、契約額は約27億円となっています。さらに、県外企業も参加可能である契約額15億円以上の工事は5件あり、契約額総額は153億円にもなっています。15億円以上の大規模工事については、県内・県外企業の共同企業体、いわゆるJVとの契約がされていますが、どの工事をとってみても、出資割合の5割以上を県外企業が占めています。つまり、これまでの浜坂道路整備事業では、工事契約額280億円のうち、全体の約65%、契約額にすると約180億円の契約工事に県外企業が参入しているということになります。
繰り返しになりますが、国交省が示した本補正予算の基本的な考え方は、あくまでも「地域企業の活用」ということになっています。浜坂道路や東播磨道路整備事業は、本補正予算の趣旨に沿った事業とは思えません。橋梁上部工事などを伴う大型公共工事は予算の大半がコンクリートと鉄、重機に使われ、地域企業や地域人材の活用にはなりません。公共工事は砂防・治山・河川整備事業など、地元業者が直接受注のできる防災事業にこそ重点を置くべきです。
また、東播磨道については、平成26年に南工区が供用開始され、南北交通については渋滞解消の一定効果があったとされています。しかし、供用開始後、東播磨道と加古川バイパス合流地点である加古川バイパス中央ジャンクションを起点に加古川バイパス東西交通は日常的に大変な大渋滞となっています。県の調査では、供用開始後、南北交通総量は日量56,700台から64,200台へと7,500台増加しています。つまり、渋滞が解消すればさらに車を呼び込み新たな渋滞を発生させるという悪循環になっています。東播磨道路の建設目的は南北間の交流促進、時間短縮だけではなく、東播磨全域と北播磨全域の交流促進・時間短縮も挙げています。しかし、東西幹線道路である加古川バイパスが東播磨道南工区の供用開始によって大渋滞を起こしているため、明石・高砂方面から北播磨地域への時間短縮効果については極めて疑問です。「加古川バイパス東西方面経由から北播磨地域への時間短縮は図られたのか?」との問いに当局は「時間の測定はしていない」との答弁でした。十分は事業評価もされていないにも関わらずさらなる北工区への延伸は認められません。
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