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県職員期末手当引き下げに反対

1日、兵庫県議会開会。県職員の期末手当引き下げについて、2点の理由で反対しました。
①民間準拠のみを期末手当引き下げの根拠にし、災害時には過労死ラインを超える業務量を担う公務労働が正当に評価されていないこと。
②県職員、会計年度任用職員の期末手当引き下げは地域の賃金相場、地域経済にも悪影響を及ぼし、男女の賃金格差解消にも逆行すること。
以下全文
日本共産党議員団を代表し、第164号議案 職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例について反対の立場から討論します。
県当局は県人事委員会勧告を踏まえ、職員の期末・勤勉手当の年間支給月数を4.45月から4.30月へ0.15月引き下げること。会計年度任用職員については2.55月から2.40月へ0.15月引き下げること。知事等、常勤の特別職の期末手当は3.35月から3.25月へ0.1月引き下げることを提案しています。知事や特別職の給与は高すぎるという県民の声がある中で期末手当引き下げは当然のことですが、一般職員や会計年度任用職員の期末手当引き下げは認められません。
反対の第一の理由は、民間準拠のみを期末手当引き下げの根拠にし、災害時には過労死ラインを超える業務量を担う公務労働が正当に評価されていないからです。
兵庫県人事委員会勧告の結びには「新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、公務に対する県民の期待は大きく、真摯に努力を続けている職員の姿は高い評価を受けている。今後も、県民の期待と信頼に応えるべく、引き続き職務に精励いただくようお願いする」としています。それならば、期末手当を引き下げるのではなく、県民の評価に応じた待遇が必要ではないでしょうか。青森県むつ市では「新型コロナ対応とワクチン接種、大雨災害対応などで業務負担が大きい中、職員は卓越した働きをしてくれた。今はコロナ禍からの景気浮揚の局面で消費マインドを下げる減額は考えられない」「勧告に準じる義務はない」として、人事委員会勧告に従わず期末手当の添え置きを決定しました。
兵庫県は平成19年度から29年度までの行革によって職員削減率全国1位の3割削減を行い、人口当たり職員数は全国で4番目に少なくなっています。その結果、コロナ禍の令和2年度は月100時間以上超過勤務を行った職員は131人、このうち年720時間を超えた職員は60人にもなっています。災害対応、新型コロナ対策、鳥インフルエンザ対応等々ひとたび災害が発生すれば、民間では認められない過労死ラインを超える業務量が発生し、その過酷な職場環境の中で県職員は卓越した働きをしてくれました。そのもとで民間準拠だけを根拠に期末手当を引き下げたのでは、兵庫県人事委員会勧告でも指摘がされている「公務員志望者の減少」「若年層職員の離職」「優秀な人材確保」という課題にも応えることができません。それは県民サービスの低下にも直結します。知事は民間準拠だけでなく、災害対応が頻発する中での公務員労働者の働きを正当に評価すべきです。
反対の第二の理由は、県職員、会計年度任用職員の期末手当引き下げは地域の賃金相場、地域経済にも悪影響を及ぼし、男女の賃金格差解消にも逆行するからです。
今回の給与勧告の対象とされる県職員は42,496人、それとは別に期末手当引き下げの対象となる会計年度任用職員は5785人、また市町職員・公務員準拠で賃金決定される外郭団体職員などを含めるとその影響は地域経済にも大きな影響を与えることになります。社会全体で賃金引上げが求められている中で、地域の賃金相場にも地域経済にも大きな影響を与える県職員の期末手当引き下げは認められません。
また、コロナ禍でその脆弱な部分を露わにしたのが非正規雇用であり、非正規雇用の多くを担っているのが女性です。兵庫県で非正規で働く会計年度任用職員の平均年収は約185万円ですが、今回の引き下げによって約183万円へと約2万円引き下げられます。兵庫県会計年度任用職員の多くが女性です。ジェンダー不平等の根底にあるのが男女の雇用形態の格差、男女の賃金格差にあります。社会全体で男女の賃金格差解消が求められている中で、民間のモデルとなる県職場で女性が多くを占める会計年度任用職員の賃金を引き下げることは男女の賃金格差をさらに拡大するものであり認められません。
以上の理由により、第164号議案に反対します。。
以上で私の討論を終わります。

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