ご存じの通り、7月14日兵庫県教育委員会は県立夢前高校と県立福崎高校の統廃合計画を突如として公表し、地域住民に説明会を開催することもなく年内には基本計画を発表するとしています。「高校の選択肢が狭まる」「通学時間が長くなってクラブ活動ができなくなる。通学費も大変・・」「少子化の今こそ、少人数学級実現し、教員の負担も軽減し、子供たち一人ひとりに丁寧な教育を」などの声が多数出ています。
地域の学校は、地域の子ども達に対し教育的効果を発現することが第一義的役割であることは言うまでもありません。併せて、地域の学校は、地域住民にとっても欠かせない役割を荷っています。
例えば、地域住民の命を守る防災施設としての役割です。県立夢前高校は、避難所にも指定されています。
1000年に一度の風水害時に、姫路市が想定している夢前町前之庄校区の想定避難者数は風水害・土砂災害併せて2736人を想定しています。それに対し確保している避難所収容施設は3643人分です。コロナパンデミック以前であればこれで問題ないのですが、パンデミック以降、避難所のソーシャルディスタンスが求められており想定避難者数の2倍の避難所収容スペースが求められています。ですから前之庄校区ではパンデミック以降は3643÷2=1821人分の避難所収容人数分しか確保されていないということであり、約1000人分の避難所施設不足が現行でも生じているということです。それに加えて、仮に夢前高校が廃校になり、学校施設も取り壊しということになれば、現行でも避難所施設が不足しているのに、その上に夢前高校の避難所収容人数420人分の避難所施設が無くなってしまうということです。
これはほんの一例です。兵庫県教育委員会はこうした事実さえ把握していないのに住民説明会を開催することなく年内には基本計画を発表するとしています。子どもたちにとって学校が遠くなるということだけでなく、地域住民からは避難所まで遠くなるということです。こうした地域からの声を聞くためにも、県教委はまずは地域での丁寧な住民説明会を開催することから始めるべきではないでしょうか。
「公立高校を考える会」はこうした問題提起も含め、地域の皆さんとご一緒に考える学習会を各地域で開催しています。是非、お越しください。
日時 10月30日(日)午後2時~
場所 夢前町北部市民センター