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産廃反対運動で思うこと

産廃処分場建設時には建設計画地域から反対運動が頻繁に起こります。 その際必ず出てくるのが「地域エゴ論」です。 「地元での産廃施設建設には反対だけれども、どこかの地域が受けいれなくてはいけない。地元は嫌だから他地域へ・・というのは都合が良すぎる。それなら地元で引き受けよう」 という方もたくさんいらっしゃいます。これはもちろん善意からの考えだと思います。

 環境省のデータがあるのですが、平成2年から平成19年までのデータです。(下記図1参照) 平成2年の産廃総排出量は約4万t、平成19年時の総排出量は約4万2千トンで廃総排出量はここ20年間それほど変わっていません。 ただ、減量化やリサイクルに関する法整備が随分とこの20年間で前進し、循環型社会への取り組みが進んでいます。(下記図2) 平成2年には約4万tの産廃総排出量の内約9千トン(約22%)が減量化もリサイクルもされることなく最終処分場に埋め立てらていました。 しかし、平成19年には産廃総排出量4万2千トンの内、最終処分場への埋め立ては約2千トン(約5%)にまで最終処分量が減少しています。 国民の環境意識の高まりや、産廃最終処分場への反対運動などが国を動かし法整備を前進させてきた成果だと思います。 ゴミ問題に取り組むある弁護士は「産廃最終処分場は人体にも環境にもいいはずがない、全ての産廃処分場建設計画を止める運動を広げる。産廃の受け入れ先がなくなれば、国や排出元である大企業が本腰を上げて、排出量抑制やリサイクル、減量化などの技術革新も前進する」と言います。 例えばフロンガスがオゾン層を破壊している問題はご承知だと思われます。(一部では否定されている方もおられるようですが・・・) 以前、本で読んだのですが地球がオゾン層に囲まれるまでに約40億年の歳月を要し、オゾンに囲まれることによって初めて海中から陸上に生物が進出したのが4億年前だといいます。 40億年の歳月を要して作り上げた陸上生物の生命維持装置であるオゾン層がわずか100年の大量生産社会のなかで破壊されています。この本を読んだ時は大変衝撃的でした。 話を戻しますが、これまで通りフロンガスの排出が生産活動の上でなくてはならないものと考えるか、人類と地球が共存するためにフロンガスの製造禁止を社会全体の課題として取り組むかが問われています。今は作られなくなっているのかな・・・ 原発の問題もしかりです。 産廃問題も、「最終処分場は必ず必要だから」という発想は、前文でも触れましたが善意からくる考えだとは思うのですが、この考え方からは産廃問題の根本的解決は望めないと思うのです。

私は社会をよりよく前進させるのは、国民の運動だと思っています。理不尽な道理のない国民運動は大きな運動には広がりません。社会の物事を固定的に観るのではなく、紆余曲折はあるものの長い歳月で見たとき社会は必ず発展的に前進するものだと確信しています。社会の前進は国民の運動と要求の中にあると思っています。 産廃問題の解決は産廃の総排出量の抑制、製造段階からリサイクルできないものでの製造を禁止するなどの法整備が必要です。

(図1)クリックすると図面が大きくなります

 

(図2)

 以上 「産廃処分場もどこかに必要」という声が私のもとに最近よく届くので私の考えをまとめました。以前コメント欄の返信で活用したものですが・・

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