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建設職人の労働条件改善へ公契約条例制定を

6日午後、西播地域ユニオン労組役員の方とご一緒に、姫路市発注工事で働く建設職人へ直接聞き取りを行い労働条件実態調査を行いました。

駅前工事 電気工。

市営住宅建て替え工事 とび工

建設業法や公共工事適正化法では、公共工事の目的について「公共工事の品質の確保」と「地域建設業者の健全な発展」とあります。しかし、長引く不況と公共工事の減少によって公共工事現場では激しい低入札価格競争が起こり、低入札競争によるしわ寄せは、現場で働く建設職人や下請け業者を直撃しています。調べてみますと平成25年度、3億円以上の姫路市発注工事件数は7件、その内の6件(平均落札率78.6)約20億の工事が低入札調査基準価格を下回っています。調査基準価格を下回って落札した場合は「工事が契約通りに履行できない恐れがある」として発注者である姫路市から調査を受けます。つまり、平成25年度姫路市発注工事約20億円で「工事が契約通り履行できない恐れがある」という事です。低入札の影響は建設労働者などの賃金に一番のしわ寄せとして現れ「若者の建設業離れ」「若者が入職しないから技術の継承ができない」という事態が進んでいます。もっと言うと、約20億円もの姫路市発注工事で公共工事の目的である「地域建設業者の健全な発展」という行政目的が果たされていないという事です。

今日の聞き取り調査では、実際に建設職人の日当額、勤続年数、職種を網干から香寺までの6工事の現場を回り聞き取りを行いました。公共工事の積算時には、設定労務単価として各職種約50業種の労務単価が設定されています。例えば、とび工18400円、鉄筋工17400円、普通作業員15100円というように50業種の労務単価に基ずいて公共工事の積算はされていきます。しかし実際に現場の職人が受け取る日当額は低入札のしわ寄せによって積算時の労務単価を大幅に下回っています。今日の現場での聞き取りの目的は、設定労務単価と実際に職人が受け取っている日当額とのかい離を調べる事です。調査結果は次回の議会でご報告します。

今、全国では若者の建設業離れを食い止めるための施策が様々な形で進んでいます。その中でも、もっとも先進的な取組が「公契約条例」です。「公契約条例」とは積算時に用いる設定労務単価以下(8割以下など自治体によって様々)の賃金での職人への支払いを自治体が禁じています。違反事業者には入札参加禁止などの厳しい処分があります。姫路市でも低入札での影響が深刻に現れています。公契約条例制定に向け建設労働者の皆さんと力を合わせて頑張ります。

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