平和憲法9条守る力 姫路から強く大きく
29日、環境省産業廃棄物政策課へ、兵庫県・姫路市の産廃処理行政について、レクチャを受けに伺いました。環境省にレクチャを受けるのは今年4月に続いて2回目となります。
参議院会館
参議院会館内 市田忠義控室。 左から堀内照文党県副委員長、私、杉本ちさと県議、金田峰生党兵庫国政事務所長
・夢前産廃建設計画 次々と変わる事業者と代表
現在、姫路市夢前町では、国内最大規模の産業廃棄物最終処分場建設計画が進められています。建設計画を進める産廃事業者は、計画当初の平成19年頃~23年12月末までは成臨興業㈱「代表 岩田慎也」が、平成23年12月末~25年5月末までは岩田慎也氏が新たに設立した夢前興産㈱「代表 岩田慎也」が、平成25年5月末からは、前代表である岩田慎也氏含めすべての役員を総入れ替えし、夢前興産㈱「代表 小河興児」へと事業者と代表が次々と変わり住民の不安と不信が広がっています。
・成臨興業㈱の違法行為を次々と暴露
夢前町で建設計画を進めていた成臨興業㈱は、姫路市内で約25年間にわたり、夢前町で計画している最終処分場と同類の処分場を管理運営しています。
同社の前代表である岩田慎也氏は平成7年頃から23年末まで同社の代表を務め、現在は同氏の実父である岩田孝成氏が同社の代表に就任しています。
日本共産党は、夢前町での産廃反対運動の高まりと併せて、同社の過去の処分場管理実績を徹底的に調査し、これまで同社が行ってきた重大かつ明確な違法行為を次々と暴露してきました。
①
平成11年~24年にかけては、山陽特殊製鋼㈱から処分不可である金属くずの大量受け入れ。
②
平成17年頃には、加西市に10トンダンプ2400台分もの大規模不法投棄。
③
平成18年頃から24年にかけては、処分場外の森林を無許可で伐採・掘削し、処分場外へ10トンダンプ5000台分もの区域外投棄。
成臨興業㈱は、昨年1年間だけでも、廃棄物の不適正処理で15回もの行政指導を姫路市から受けています。
・環境省「行政処分が必要です」と姫路市に助言。
環境省の通知文「行政処分の指針」では、「不法投棄などの重大且つ明白な違法行為に対しては躊躇することなく取り消し処分を」と各自治体宛に通知しています。
しかし、兵庫県と姫路市は上記①②③のような重大且つ明白な違法行為があるにも関わらず、これまで厳正な行政処分を行ってきませんでした。
前回4月の環境省レクチャの際には、上記①の違法行為しか、日本共産党県・市議団として把握ができておらず環境省への情報提供も①のみしか行っていませんでした。しかし、今日のレクチャの中で環境省職員は前回我々が情報提供した①の違法行為について、姫路市に対し「行政処分が必要です」と助言していた事を明らかにしました。
今回は、4月以降、新たに明らかになった②③の重大な違法行為について環境省への情報提供と、県・市の不作為とも取れる行政対応についてレクチャを受けました。
環境省職員は「今日いただいた情報提供をもとに、県・市への聞き取りを行い、環境省の見解を貴党にお返事させて頂く。少し時間を下さい」と誠実に対応して下さいました。
・産廃建設反対署名が13万筆
成臨興業㈱が行ってきた一連の違法行為は、平成11年から24年にかけて行われており、この間の同社代表は、岩田慎也氏であり、夢前町で産廃建設計画を進めてきた中心人物です。
現在、同氏は処分場建設計画から表面上すっかり姿を消してしまいましたが、計画地の土地名義は同氏になったままです(平成25年8月現在)。
また、現在の夢前興産㈱代表小河氏は、同社の前監査役だった人物です。
岩田慎也氏は、法律上で産廃施設設置を認めてはならない要件である「その業務に関し不正または不誠実な行為をする恐れがある」という欠格要件に該当していると私達は考えています。
仮に同氏が、夢前町での産廃処分場建設計画を進めている夢前興産㈱を「実質支配している」ようであれば産廃処分場設置計画は認められません。
産廃施設設置許認可権者である姫路市は、同氏と夢前興産㈱との関係を徹底的に調査し明らかにすべきです。
今日、対応して頂いた市田忠義参議院議員の秘書には、党国会議員団による成臨興業㈱・宮ヶ谷最終処分場の現地調査を依頼しました。前向きに検討するとの事です。
地元住民が集めた産廃建設反対署名は13万筆にもなりました
日本共産党は、引き続き、住民の皆さんと力を合わせて「市民3万世帯の水道水源地という不適格な地で、不適格な事業者による処分場建設を認めるな」という運動を大きく広げ処分場建設計画が撤回されるまで頑張ります。
日本共産党県・市議団は、27日、姫路市自治福祉会館で平成26年度姫路市予算編成に対する要望懇談会を開催しました。懇談会に参加して下さった各団体、個人の方からは、「高すぎる国民健康保険料の引き下げ」「保育の公的責任の明確化」「介護施設の減免制度拡充」「少人数学級の実現」「公共工事で働く建設労働者が生活できる賃金を保障するための公契約条例の制定」「中小企業融資枠の拡充」などなど・・多岐にわたるたくさんの要望が寄せられました。10月には各局へ、来年1月には市長との予算要望懇談会が行われます。日本共産党市議団は毎年各局へは200項目程度、市長との懇談では重点項目に絞って予算要望を行っています。皆さんから頂いた切実なご要望が平成26年度予算に反映されるよう力一杯頑張ります。
26日。「産廃建設いらない」と和歌山市、阪南市の地元市議と、先の参院選大阪選挙区で見事勝ち抜いた辰己孝太郎参院議員が環境省に要請しました。和歌山市で産廃反対運動を進めている住民の皆さんとは以前に運動経験交流会をさせて頂いており、このブログでもご報告させて頂きました。過去、全国津々浦々で広がる産廃反対運動が国を動かし、法改正がされてきました(表1)。環境法やリサイクル法の法整備・法改正が最終処分量を大幅に減らしています(表2)。ここにこそ、産廃反対運動の確信があると私は思っています。
27日付け「しんぶん赤旗」
表1この20年の間に 国民の環境意識の高まりから環境基本法はじめ多くのリサイクル法などの整備・改正がされた
表2 最終処分量はピンク色。この20年間で4分の1にまで減少しています。全国津々浦々で起こった「最終処分場は作らせない」という運動がなければこの様にはなっていなかったと思います。
日本共産党姫路市議団がニュースができました。夢前町での産廃施設建設計画は事業者と代表者が次々と入れ替わり大変複雑な様相となっています。市議団ニュ-スでは、成臨興業㈱のこれまでの違法行為の数々を明らかにし、成臨興業㈱・夢前興産㈱前代表と夢前産廃計画とのこれまでのかかわり、また前代表が現在、夢前産廃計画にどのようにかかわっているのかを姫路市に徹底調査するよう要望しています。
市内に数万枚単位で配布します。ビラ配布にはいつも大変苦労しています。ご協力いただける方連絡お待ちしています。
21日は兵庫県の出先機関である西播磨県民局(上郡)と中播磨県民局(姫路)へ、22日は兵庫県本庁(神戸)へ聞き取りと資料請求のため伺いました。成臨興業㈱がこれまで行ってきた重大且つ明白な違法行為である「加西市大規模不法投棄」「山特金属くず不法投棄」「宮ヶ谷最終処分場での大規模区域外投棄」などについて、県のこれまでの対応と今後の対応について、また成臨興業㈱の違法行為に至るまでの経緯と、違法行為発覚後の対応等について、かなり踏み込んだ聞き取りと資料開示がされました。県党副委員長の堀内照文さんと杉本ちさと県議も同行しました。
兵庫県本庁 日本共産党控え室
日本共産党・杉本ちさと県議のブログより以下抜粋しました。
8月9日、兵庫県議会政務調査会で、農政環境部の環境整備課に対して成臨興業と岸本木材による産業廃棄物不法投棄問題で、兵庫県が国指針と反する行政を行っていると追及しました。 以下がその概要です。
成臨興業の区域外不法投棄について
杉本県議
成臨興業が姫路市宮ヶ谷の処分場において、森林法に違反して、許可区域外に不法投棄していたことが明らかになっています。 県庁と県民局が 4月に調査にいった。 その後違反に対してどのような対応をしているか。 また、その時点ではじめて区域外投棄を確認されたようですが、それまでも立ち入り調査をするなど、森林法にもとづいてやらなければならないことがたびたびあったと思うが、キチンとやられていなかったのではないか、おこたえください。
谷口 森林保全室長
宮が谷の許可区域違反不法投棄について、今年4月17日現地に入って、不法開発を確認した。現地で、成臨興業の社長が行政指導に素直に応じるということで、まず、現地の違法箇所の区域を特定するための測量。違反行為者、現認者の調査、不法開発森林の面積、当該用地の所有権、貸借権の調査。 開発行為の状況、盛り土の勾配、たかさ、排水施設、構造物の設置状況の図面の提出等、口頭で指示をした。復旧計画の提出を成臨興業に求めた。 復旧計画書に問題がなければ、それをすすめることにしている。
現地の立ち入り検査だが、県は、砕石法とかかわる県土整備と連携してパトロールをおこなっている。 林地開発と共同で森づくり指導巡視員が県民局にいて、現地を確認している。 パトロールの状況は、住んでいる人に迷惑になっていないか、土砂の崩壊など中心にみている。 許可の内容とか、土地の利用の確認などにおいては若干手抜かりのところがあったようです。
杉本県議
手抜かりがあったと認められましたが、重大な瑕疵だと思います。 復旧計画書は提出されていますか。
谷口森林保全室長
行政指導で求めていた資料はすべて、適正な状態で提出されている。現地は確認して、今後は、業者を指導していく。
杉本県議
人工衛星画像が県民局にもあるが、平成7年か8年ごろからすでに区域外が認められている。 溝もつくられている。水路があり、構造物も設置されており、意識的に区域外に投棄していることは明らかです。 行政指導ですまして、現状復帰させる対応だが、このような行政の対応はおかしいと指摘しておく。引き続いて議論していく。
加西市の産廃不法投棄について
杉本県議
加西市に、成臨興業が岸本木材といっしょになって、平成17年ごろから不法投棄が行われていたことが、兵庫県の環境整備課で応対記録票として残っています。県会議員がくちききをしてこられたということも明らかになっている。改善計画書や始末書も出されたが、改善計画書によると平成20年には撤去しないといけないということになっていますが、その後どうなっていますか。
春名環境整備課長
加西市の件について、当初20年でしたが、時間はかかったが、本年7月11日に、現地にて、県民局と環境整備課で廃棄物が全部撤去されていることを確認した。それに基づいて7月末に撤去完了報告書を岸本木材と成臨興業から提出させ、受理しております。 7月26日にでています。
杉本県議
不法投棄、産廃について、県が指導していると思うが、どこにどのように処理しているのか、運ばれたか、マニフェストはでていますか。
春名環境整備課長
ただ今、撤去完了報告書とか、マニフェストがでておりますので、実際にそこに廃棄物がいっているのか確認をしているところです。
杉本県議
安定型か管理型か、どちらで処理されていますか
春名環境整備課長
どこにもっていったかとか、業者名はちょっとあれなんですが、木屑とか管理型になるものは、木屑として売却されたとか、金属くずについても、きちんと売却して有価物として売られたというふうに、報告書のなかではなっています。 瓦礫類などは安定型を処分する場所にもっていったときいています。
杉本県議
その資料をいただけますか。
春名環境整備課長
また、資料をもって説明させていただきます。
杉本県議
不法投棄の撤去は平成20年に完了する計画になっていたのに、今25年。5年間ものらりくらりとやっていた。県の産廃行政のありかたについて、なぜ、警察に告発しないのか、なぜ、行政処分を課さないのか。その理由を教えてください。
春名環境整備課長
加西の事案は、告発ということ、行政処分も含めてですが、私どもが認知した時点では、搬入がストップしたことと、生活保全上、特に支障がある状況がこれ以上拡大するような状況ではなかったということ、是正の可能性があった、関与した人間等から撤去しますと報告がでていたので、適正処理をする見込みがあったから、行政処分でなく行政指導をした。
杉本県議
県の適正処理事案のマニュアルには、10t以上の不法投棄が確認されれば警察に通報することになっていますが、これされてないですね。
春名環境整備課長
通報したかどうかは、一般的には電話でするのですが、文書ではしないので、県が当時通報したかどうかということは、記録には残っていない。通報したかどうか不明です。
杉本県議
国の行政処分の指針がでている。 この内容をみると、明らかに兵庫県の対応は間違っていると思うが、どうおもうか。
春名環境整備課長
行政処分の指針のなかで行政指導というところでは、法的効果を有する行政処分を行わない結果、違反行為が継続し、生活環境の保全上の支障を招くという事態を回避されなければならないところであり、いうようなくだりがあり、一概に行政指導を否定しているのでなくて、今回の事案は、廃棄物の搬入行為がすでに停止されている、生活環境の保全上の支障の拡大を招くおそれがないということから、行政指導で対応した。
杉本県議
明らかにまちがっていますね。 新聞報道にあるように、当時から山特の金属くずの不法投棄がされていた。加西市にもこの金属くずがあります。山特だけでなくて、様々な不法投棄がおこなわれており、森林法違反も区域外もこの時期にすでにやっている。 夢前町で大きな産廃処分場をつくろうとしている事業者は、違法行為を去年1年間だけで15回も行政指導を受ける違法行為が確認されている、そんな事業者です。不法行為が広がらないということを理由に、行政処分を行わなかったということは、まちがった対応だと改めて指摘をしておきたいと思う。
様々な違法行為が繰り返されていることが明確になっているが、この原因をつくったのは、兵庫県が温存をしてきたことにあると思うのですが、これについてはどうですか。
春名環境整備課長
山特、森林法違反ありますが、 当時の加西の案件の段階では、県の環境課は情報はもっていませんでしたので、加西では搬入が停止されており、生活環境保全上の支障の拡大がないということで行政指導で対応した。
杉本県議
これは後で議論するが。 知らなかったから、それで通るという話しは通用しないです。厳然たる処分をしなさいということになっているのに、知らなかったからそんな悪いことをしていることを知らなかったから、行政処分で済ましたということ自体が、今日の大きな不法行為を繰り返している事業者をつくりだしてきた要因になっているということを指摘しておきます。