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当局予算案に対し、日本共産党県議団は予算組み替え提案を行いました。

【予算特別委員会総括審査】 17日、予算組替え提案を行いました。検査拡充、保健師増員、小6までの35人以下学級、高校1年生全員へのタブレット無償貸与、温室効果ガス削減強化事業、ジェンダー平等促進事業費など

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、予算組み替え提案の全文

日本共産党県会議員団の入江です。日本共産党の2021年度兵庫県予算案の編成替えを求める動議について、提案説明を行います。

知事提案の新年度予算編成は、民間消費の低迷や企業業績の悪化などから税収減が見込まれる一方、臨時的な対応としてシーリングの強化や事業数の削減など、施策の選択と集中を行ったとされています。コロナの影響もあり、県庁舎等再整備基本計画が次年度に繰り越され、但馬空港の機能強化や、大規模アリーナ整備などの検討が持ち越されているのは当然で、中止も含め、白紙からの検討が必要と考えます。
 一方で、総事業費5000億円ともいわれる播磨臨海地域道路、東播丹波連絡道路など基幹道路八連携軸など新たな投資事業を推進しながら、コロナ禍から県民の命を守るための医療・衛生体制については、十分な拡充がされておらず、県民の暮らしや生業を立て直す施策は乏しいものとなっています。
 日本共産党県議団は、県提案の2021年度予算案を県民の立場からチェックするとともに、県民の願いにこたえる予算として、21年連続となる、予算組み替え動議を提案するものです。

 組み替えでは、まず全体の規模は、一般会計で見直しが必要な事業78項目、合計412億円(約1.5%)を減らし、そこから生み出された一般財源、特定財源など約111億円を、新型コロナウイルス感染症緊急対策、職員定数、気候変動対策、子育て・高齢者への支援、教育の充実、中小企業、小規模農業支援など28項目の増額に充当しています。また、県債の発行額を、一般会計と2つの特別会計で、230億円抑制しています。

 それでは、主な内容について説明いたします。
 第1の柱は、新型コロナウイルス感染症対策です。
 わが党は、新型コロナウイルス感染症対策について、11次にわたる申し入れをおこなってきました。知事提案予算案では、国庫を財源とする検査・医療体制充実や中小企業支援などの予算が一定反映されていますが十分とは言えません。組替え提案では、無症状感染者を見つけ出すための医療・高齢者施設等の職員等への頻回・定期的検査、隠れた感染源早期探知のためのモニタリング調査の促進など、新型コロナウイルス感染症対策への予算を新たに10億円計上しています。

 第2の柱は、人員配置の強化です。
 新型コロナウイルス感染拡大への対応では、その要となる保健師などの職員を削減してきたことが、大きな影響を及ぼしています。国は、来年度の保健所職員の増員の交付税措置をおこない、兵庫県では、保健師18名、それ以外の職員2名~3名の増員分が見込まれているにもかかわらず、実際の保健所職員の増員は、7名にとどまっています。組替え提案では、保健師の増員を7名から18名に、11名分を上乗せする予算を計上しています。
 また今年は、阪神淡路大震災から26年、東日本大震災から10年となります。南海トラフ地震も間近といわれるなか、その備えの要となる土木職員も、行革で削減され、慢性的な人手不足におちいっています。組替え提案では、全ての土木事務所に1名の増員、13名分を増員する予算を計上しています。

 第3の柱は、地球規模の気候変動対策です。
 兵庫県は、新・兵庫県地球温暖化対策推進計画の検討をすすめており、2050年の二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すとしていますが、そのための中間目標である2030年度の削減目標は2013年度比で最大38%にとどまっています。2050年の実質ゼロのためには、2030年度目標をさらに引き上げることが求められます。
 そのために組替提案では、産業部門での実効ある削減措置や兵庫県から新設も含めた石炭火力を禁止するための予算を新規で計上しています。また県の自然エネルギー地域ポテンシャル調査事業費として600万円を充て、「家庭における省エネ支援事業」「住宅用太陽光発電設備設置補助事業費」の対象件数を引き上げる増額を行いました。

 第4の柱は、子育て支援を強めるための組み替えです。
 川西市が今年7月から中学3年生までのこどもの医療費無料化にふみきり、これで県内41市町中36市町が、中学3年生までの子どもの医療費無料化にふみだすことになります。組替え提案では、全県で、中学まで、通院・入院とも所得制限なしで無料化にするため、県市町の共同事業として、必要額約62億円の半額、約31億円を計上しています。
 高すぎる国民健康保険料引き下げるため、子育て施策として、18歳未満の子どもの均等割を県負担1/2、市町負担1/2で減免する制度を創設し、12億円を計上しました。
 また第3次行革で所得制限の強化、一部負担金の増額が行われた母子家庭等医療費助成費は、第3次行革前に戻すために、1億6800万円増額しています。

 第5の柱は、医療・福祉分野への支援を強めるための組み替えです。
 とくに行革で削られた福祉医療制度の復活をおこないます。
 老人医療費助成制度を復活させ、重度障害者(児)の医療費助成は、所得制限の世帯合算方式をやめる予算に増額します。難病患者の医療費について、国の制度改変によって有料化された非課税の患者自己負担額を無料に戻すため4300万円を増額します。
 老人福祉対策として、一昨年、意見書として国に提出した加齢性難聴者補聴器購入補助について県制度を制定し、1人あたり平均4万円を5000人に補助できるよう2億円を計上しました。
 また看護師確保事業として、看護師学生など就学資金支援金制度を創設し、1人年間50万円を60人対象に支給する制度として、3000万円を計上しました。

 第6の柱は、教育分野の支援を強めるための増額予算です。
 国は、40年ぶりに学級標準編成を変更し、小学校を35人以下学級にするために、来年度2年生の少人数学級のための財政措置をおこない、それに伴い各県でも、独自の少人数学級をすすめようとしていますが、兵庫県は、現状の小学4年生にとどめたままです。組替え提案では、小学校5,6年生の35人以下学級を実施するために、教職員225人を増員し、小学校職員費を約16億4500万円増額しました。

 さらにコロナ禍において、高学費や生活費で苦しむ学生がひろがっているなか学費無償化、教育費の支援は喫緊の課題です。
 国の高等教育修学支援新制度が行われていますが対象人数があまりにも少なく、求められる現状にこたえるものとはなっていません。
 県独自の高等教育修学支援制度を創設し、年間36万円を750人に給付するため、2億7000万円計上しました。

 また、私立高校の授業料軽減補助について、国や県の私立高校無償化措置で年収590万円未満世帯者は、兵庫県の平均授業料40万8000円が補助されていますが、組替え提案では、年収590万円世帯~910万円未満世帯にそれぞれ補助を2万円上乗せし、1億4000万円を増額します。

 コロナに伴い学校でのICT化がすすんでいますが、県が2022年度から高校生には、自費でタブレットを用意することを要請することに、県民から大きな批判が寄せられました。県は、新たに12000人分貸与できるようにしましたが、不十分です。組替え提案には、来年度の高校1年生全員にタブレットが行き渡るように、19億3500万円を計上しました。

 第7の柱は、中小企業、小規模農家支援です。
 とりわけ中小企業に対し、融資ではなく直接支援が必要と考え、施策の充実をはかりました。
 ひとつは、ひょうご男女いきいきプランが改定されましたが、県内における女性の社会進出は、遅れています。組替え提案では、女性の正規採用や管理職への登用を促進するためにジェンダー平等促進中小企業支援事業を立ち上げ、1億円を計上しました。

 京都府と連携して行っている「兵庫型奨学金返済支援制度」については、一人当たりの支援額を3万円上乗せするために、2100万円増額しました。

 県内市町でも大きな実績をあげている中小企業店舗リフォーム助成事業、民間住宅リフォーム助成制度を新設し、あわせて1億2千万円を計上しています。

 中小企業振興のために中小企業者団体なども参加し、双方向で知恵をだし、意見交換ができる中小企業振興会議費を新たに計上しました。

 兵庫農業の基盤を底辺から支えるのが、家族経営など小規模農家です。国連が2019年に「家族農業の10年」をスタートさせているように、小規模・家族農業支援の充実が必要です。組替え提案では、とくに中山間地の小規模農家を支援するために、小規模農家公的サポート事業として、5000万円の予算を確保しました。

 第8の柱は、過大性や問題点を見直した公共事業や、大企業呼び込みのための産業立地補助金など削減した予算についてです。
 コロナ禍においてますます過大な見込みとなった基幹道路八連携軸として調査費等が計上されている、播磨臨海地域道路や東播丹波連絡道路事業、大阪湾岸道路西伸部整備事業支援、また園田西武庫線などの道路関連事業費について約130億円、国が負担すべき国直轄の公共事業について約100億円を削除しました。

 本社機能誘致など、呼び込み型の企業誘致に頼った地域経済の振興策には限界があります。パナソニック尼崎の撤退によって、失敗が明らかになっている産業立地促進補助約19億円を削除しました。

 また地域創生推進事業費は、一部の事業を見直し、約7億円減額しました。
 不公正な同和行政が残る事業、マイナンバーや住民基本台帳ネットワーク関連事業、過大な情報ハイウェイなどの予算も見直し、削減しました。

 県会議員の海外視察についても友好都市訪問の公式行事のみとし、人数も限定するなどの簡素化で半減しました。

 以上が予算組み替え提案の主な内容です。
 新型コロナウイルスの新規陽性者数は、再び増加に転じています。
 新型コロナウイルス感染症対策を強化し、気候変動、災害への備えを強め、県民の命と福祉・くらしを守り、だれもが安心して暮らせる兵庫県とするための日本共産党兵庫県議団の組替え提案に対し、委員各位のご賛同を心からお願いいたしまして、提案説明を終わります。ありがとうございました。

兵庫県議会予算特別委員会で入江次郎議員が質疑①財政状況:消費税増収が病床ダウンサイジングに

 兵庫民報3月14日付けに掲載して頂いたのでそのまま添付させて頂きます。(筆者 兵庫県議団事務局長 門屋)

 兵庫県議会では、予算特別委員会が設置され、二〇二一年度予算案について、本格的に審査が始まりました。日本共産党からは、入江次郎議員が予算特別委員に選出され、五日、財政状況の質疑にたちました。

 

消費税五%への減税、法人税収の引き上げを

歳入について、入江議員は、前年比九百十九億円の減となった県税等収入について質疑。前年比五・二%減の二千三百十二億円を見込んでいる地方消費税について、「コロナの影響だけでなく、二〇一九年十月の消費税の一〇%増税の影響で、経済が縮小し、個人消費が冷え込み、税収にも影響しているのではないか」とただし、「苦境にたつ中小、小規模事業者支援策としても五%への減税を行うべきだ」と求めました。
県当局は、「社会保障の充実、財政構造の安定化のために、地方消費税収は必要。増収分は社会保障充実の財源となっている」と、消費税五%への減税に背を向けました。
入江議員は、一方で、二〇二一年度の税制改革において、研究開発減税の拡充やDⅩ投資促進税制など大企業向けの減税が行われていると指摘。兵庫県の影響額を問うと、「二千三百万円の減税となる」と答弁しました。
入江議員は、「苦境に立つ中小事業者には、赤字でも消費税の支払いをうながしながら、大企業には減税を行い優遇するのは、コロナ禍から暮らしと営業を救うのとは逆行しているのではないか。税収について、地方消費税収は全体の三二・八%も占めるのに、法人関係税はわずか一九%。九〇年代には、四〇%を占めていた法人税収を引き上げるために、大企業減税をやめさせ、応分の負担を求めるべきだ」と主張しました。

保健師の増員を

入江議員は、地方財政計画による保健師等保健所職員の増員等について質疑。入江議員は、「国は、地方財政計画にもとづいて、保健師等の保健所職員について標準団体(人口百七十万人、九保健師)で感染症保健師を六人、感染症以外の保健師を八人、保健師以外の保健所職員を二人増員し、交付税措置を行っている。兵庫県で、それぞれ、何人の増員が見込まれるのか」と問いました。
県当局は、「感染症保健師は八人、感染症以外の保健師は十人、保健師以外の職員は、二~三人となる」と答弁。さらに、実際の増員数を聞くと「七人」と回答しました。
入江議員は、「感染症対策において、保健師職員は要となっている。それ以外の保健師職員も含め、少なくとも国の措置どおりの増員、七人のみではなくせめて二十人以上の増員を行うべきではないか」と要求。県当局は、さらなる増員への言及は行いませんでした。

病床削減を消費税収入で行うな

入江議員は、「消費税増税による増収分は、全額社会保障に使っているというが、そのメニューの中に、来年度からダウンサイジング支援金など、地域医療構想に基づく病床削減メニューが入っている。なぜか」とただしました。
当局は、「地域完結型医療のために必要」などと答弁しました。
入江議員は、「このコロナ禍において、ベッドが足りないといわれるときに、誰が、消費税を払って、病床削減をすすめてほしいというのか。県民からは到底理解されない。地域医療構想にもとづく病床削減はいったん中止し、必要な社会保障にまわすべきだ」と迫りました。 

大企業呼び込み型の地域創生でなく、第一次産業と中小企業を大切にし、若年層・子育て世代を応援する施策を

 8日、予算特別委員会 企画県民部部局審査で、大企業呼び込み型の地域創生でなく、第一次産業と中小企業を大切にし、若年層・子育て世代を応援する施策を求めて当局を質しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 兵庫県第1期地域創生戦略では戦略目標の大きな柱である、自然増対策・社会増対策ともに目標指数を大きく下回りました。これでは将来の兵庫の目指すべき展望がまったく見えてきません。

 第1期戦略では自然増対策について、出生数は毎年4万4千人を維持すると目標に掲げました。しかし、2015年のスタート時に44,706人の出生数だったものが年々出生数は低下し令和元年は初めて4万人を割り込み38,658人へと大きく落ち込みました。合計特殊出生率についても2015年度実績値1,48だったものがここでも年々低下し令和元年には1,41へ、目標数値1,54を大きく下回りました。

 社会増対策については、第1期戦略目標で2016年の7,092人の転出超過から2019年には1,208人の転入超過へと転じる目標を掲げていましたが、逆に2019年は7,260人の転出超過となり、スタート時の2016年をも上回る転出超過となりました。

  県当局は社会増対策として「女子学生が希望する総合事務職を備えた本社機能を誘致する」としていますが、女子学生が総合事務職を備えた本社機能への就職を求めて東京へ転出しているという明確なエビデンスはありません。

 自然増対策として県当局は、「晩婚化の解消」を掲げています。しかし、晩婚化の要因も突き詰めれば経済的要因に行き着きます。それも含めた若年者・子育て支援策が求められているのではないでしょうか。

 県子ども子育て会議ではこういう指摘がされています。「奨学金で大学を卒業した女子大生は、多額の返済に迫られ結婚どころではなく、これが未婚化・晩婚化の一因となっている。このような女子大学生が結婚に踏み切れるように支援方策を考えてみてはどうか?」「未婚化・晩婚化・晩産化の要因として、若者が奨学金で大きな負債を負っていることが考えられる。奨学金を給付型にするなどその在り方について検討が必要」と、指摘がされています。

 女性の4年生大学への進学率は平成8年ごろから短大の進学率23%を上回り、令和元年は4年生大学進学率は45%となり、短大進学率11.5%を大幅に逆転しています。日本学生支援機構のデータでは奨学金受給率は1996年度の21.2%から直近データのある2018年度は47.5%にもなっています。子ども子育て会議が指摘しているように、奨学金返済の負担が晩婚化・未婚化・少子化に影響与えているのではないでしょうか

  明石市では子育て施策の充実によって人口、出生率ともに順調に伸ばしています。一方で神戸市は、2000年には東日本、芦屋市、高砂市を除いたすべての近隣市町から転入超過となっていました。対大阪市についても当時は転入超過となっていました。ところが2017年には、明石市、三木市、宝塚市、西宮市、伊丹市、尼崎市、芦屋市、大阪市、東日本で転出超過となっています。神戸市の2025年ビジョン策定に向けた各種アンケートでは、神戸市に住み続けたくない理由の断トツのトップとなっているのが「子育て環境が整っていない」とのことでした。

 県資料では既婚者が希望する子の数は2,32となっていますが、実際の数は1,94人と大きなギャップがあります。奨学金返済支援金の抜本的拡充など、若年者、子育て世代を支援し希望する子の数を実現させる施策こそ必要ではないでしょうか

  若い世代が大都会東京へ出たいと思う気持ちは止められるものではありません。一方で、地元兵庫で就職したいと考えている学生が約6割、新卒の離職率が3年で3割という数字もあります。ここに働きかけ地元兵庫で就職してもらう。あるいは、東京へ出て行き離職した若者に地元兵庫へ帰ってきてもらう。ここに強いメッセージと対策を打ち出すことが非常に大事に思います。

 これまでも指摘をしてきましたが、大企業呼び込みと大型開発推進では東京一極集中是正と地方の過疎化に歯止めがかからなかったことは明らかではないでしょうか。地域の一次産業や中小企業をしっかり支援し、若者や子育て世代への支援を大幅に拡充する地域創生戦略への抜本的転換を求める。

上郡町、赤穂市に跨る産廃最終処分場建設計画について② 

 上郡、赤穂市に跨る産廃最終処分場建設計画について② 

①では千種川での1600倍希釈倍率についてご報告しました。②ではそれ以外の質問と答弁要旨をまとめました。議事録とちがい私なりにまとめたものなのでご了承下さい。詳しくは動画をご覧ください

 (1)水源地への放流水の混流について 

 図にある様に(住民からの提供資料)、安室川流域周辺には川向水源地(光都に水道水配水)と、与井水源地(上郡町人口の45%に水道水配水)があり、それぞれ地下8メートルから千種川の伏流水を取水しています。国土地理院に掲載されている海抜を見るとそれぞれの水源地は安室川の海抜より低く、このあたり一帯は千種川の氾濫原であったことも上郡町史の地質図に記載があり、地下水などで安室川と千種川が通じている可能性があります。また、それぞれの水源地の上流にある上郡駅付近で工事を行った際に、地下水が千種川方向に流出していることを住民の方が目撃されています。この様な状況から、川向水源地や与井水源地に地下水を通じて産廃からの放流水が混流するのではないか?との不安が住民の中で広がっています。県当局は「事前協議書にある環境調査区域は事業者が決定した」「水源地への影響については調査していない」旨、の答弁でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (2)林地開発要綱の同意条項について

当該計画地は1ha以上の林地開発を伴う計画ですが、未だ林地開発手続きについてはされていませんので全て一般論として質問しました。事前協議書には放流先への影響として農業用水利の記載しかありません。入江「梨ケ原川と安室川には他に水利権はないか?」県当局「安室川には安室ダム水道企業団の水道用水利権と、梨ケ原川、安室川には漁業権が設定されている」。入江「林地開発要綱では環境に影響を及ぼす恐れのある水利権者に対しては同意を求めることになっているがそれでいいか?」県当局「同意を求めることになっている」。産廃の条例などでは、合意形成への努力として説明会などを事業者に義務づけていますが同意までは求めていません。しかし林地開発要綱では影響を及ぼす恐れのある水利権者に同意を求めていることを確認しました。

 (3)環境アセス条例の適用について

 県は環境アセス条例を4月から改正し施工します。入江「アセス条例は、西有年産廃処分場も対象になるか?また、アセス条例では環境調査区域の決定について住民が事業者と県に対し2回意見を言う機会があり、住民の意見を聞いたうえで知事が調査区域を決定するという流れになっている。西有年計画でも環境調査区域の決定について住民が意見を言えるか?」県当局「西有年産廃計画はアセスの対象になる。一定程度事業が進捗していると県が確認した場合は準備書から手続きを始める」との答弁でした。図参照。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アセスの対象となることは評価できるのですか、準備書からの手続きということになると環境調査区域の決定に住民が意見をいう事ができず、事業者が決定した現行の環境調査区域内でアセス調査が行うということになってしまいます。しかし、この度の質疑で明らかになったことは、1600倍希釈問題、水源地への放流水混流の不安、水利権の記載漏れ等々、環境調査区域の決定に住民が参加できなかったことに大きな問題があったのではないでしょうか?アセス条例でも環境調査区域の決定に住民の意見が反映されないようであれば住民の不安は解消されません。

急性期病床10000床削減する兵庫県地域医療構想は白紙撤回を!

 9日、兵庫県予算特別委員会健康福祉部審査で地域医療構想の白紙撤回を求めて県当局を質しました。動画も貼り付けました是非ご覧ください。

予算特別委員会健康福祉部動画 ←クリック

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兵庫県新年度予算は消費税を増税しながら、増税分を社会保障充実分として、急性期病床を削減し、病院統廃合を進め地域医療構想を推進する予算になっています。
  厚労省はこのコロナ禍においても「2022年度中を目途に地域医療構想の実現に向けた地域の議論が進められていることが重要」とし「地域医療構想については、病床の必要量の推計や考え方などを維持しつつ引き続き着実に取り組みを進めて行く必要がある」としています。その裏付けとして、兵庫県新年度予算案にもダウンサイジング、病院統廃合予算が盛り込まれています。
 
 新型コロナウイルス感染症の影響で、県立尼崎医療センターの病床利用率を令和元年度と令和3年1月を比較すると93%から74%まで低下しています。県立加古川医療センターでは81%から46%まで低下しました。パンデミックの影響によって、一般患者が必要な医療を受けられず入院できない状況になりました。
 また、Ccc-hyougoは令和3年1月に209件の入院調整を行いましたが、その内の184件、約9割が保健所区域内で入院できず区域外での入院調整となりました。
 さらに、第3波のクラスター患者数のうち高齢者福祉施設等の患者数は1233人にもなりました。県の対処方針では「高齢者福祉施設等の入所者が感染した場合入院または宿泊施設での療養を原則とする」としましたが、高齢者施設での感染者の多くが入院することができずに高齢者施設での留め置きとなりました。
 
 一般患者もコロナ陽性者も必要な医療を受けるための入院が圏域内はもちろん圏域外でもできませんでした。コロナパンデミックによって医療機関・医師・看護師・急性期病床の全てが不足したにも関わらず、2013年の医療需要予測によって2025年までに県内で急性期病床を1万床も削減し、コロナ禍の元でその役割と責務を大いに発揮した公立公的病院を統廃合しようとする地域医療構想を推進する予算は認められません。
 
 この様な状況のもとで2022年度から圏域内だけでの議論で急性期病床を10000床削減する議論などてぎるはずがありません。地域医療構想はいったん白紙にし感染症パンデミック対策が盛り込まれる2024年度からの新しい第8次医療計画のもとで地域医療について改めて議論すべきす。

兵庫県予算特別委員会 保健師など職員定数の大幅増員を

 10日、予算特別委員会で保健師など職員増員を求めて当局を質しました。要旨をご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 頻発する頻発する大規模災害、発生頻度が高まっている新型感染症ウイルス対策などに必要な人員が求められているにもかかわらず、職員3割を削減した平成30年4月の定員配置を維持し、行財政運営方針を推進する予算となってる。

 平成21年に大流行した新型インフルエンザでは、「検証報告書」によって、「県民からの電話が殺到し、相談に従事する保健師等が不足した」「電話相談に多くの職員が従事したため、患者に対する疫学調査や病院との調整、濃厚接触者調査等に支障をきたした」「専門的な相談が多く、保健師等の専門職種と事務職等の他職種で回答内容に差が生じた」等の課題が指摘されました。それにもかかわらず、県は行革の名のもと中核市へ移行した明石市分を除いても152名から116名へと保健師を36名削減しました。

 その結果、新型コロウイルス第1波・2波の検証報告書では「クラスターが発生した事務所を中心に人員不足が発生した」「感染者の積極的疫学調査や感染予防、保健指導を行う人材である保健師の不足が課題である」「クラスター発生時には3倍以上のマンパワーが必要となり専門職員が不足した」等々、保健師不足が改めて指摘されています。

  県当局は「コロナパンデミックを踏まえ、国は地財計画上兵庫県に対し、感染症対応保健師8名、それ以外の保健師10名、その他薬剤師や獣医師資格を持つ事務職員2名を財政上措置されている」旨、答弁がありましが、県は新年度予算で感染症対応の保健師7名しか増員していません。行革で36名もの保健師を削減し、しかも新年度予算では約20名分の保健師確保予算が地方財政上交付税措置されているにも関わらず、県は7名の保健師しか確保していません。検証報告書の指摘に真摯に耳を傾け保健師の大幅増員を求めます。さらに土木部門でも人員不足が過去の大規模災害検証報告書で指摘されています。それにも関わらず、県は総合土木職職員を平成19年の1,073名から814名へと大幅に削減してきました。

 金沢副知事は、令和2年6月25日の兵庫県将来構想研究会の中でこのように述べています「全く想像していなかった事態を迎えている。ひょっとしたら南海トラフは終わっっているかというような気持ちもあったが、ただよくよく考えてみればこのビジョンの視野に入れている世界は(2050年)、ひょっとしたらパンデミックを2,3回経験したそういう社会になっているかもしれない」。

 1980年代から世界を席巻した、効率と生産性を最優先する新自由主義的な社会構造の在り方の見直しを求める声が広がっています。平時からギリギリの体制ではなく、平時から余裕のある体制、というのがコロナパンデミックの最大の警鐘だったのではないでしょうか。いつ起こってもおかしくない南海トラフ等の大規模災害、発生頻度が高まっている新型ウイルス感染症パンデミックに備えた人員配置が必要です。

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