平和憲法9条守る力 姫路から強く大きく
18日から始まる議会を前に、来年度予算案概要説明会が12日開催されました。
私学助成、中小企業融資枠の拡大などこれまで日本共産党県議団が求めてきた施策が一定前進したものの、住民の暮らし・雇用・福祉を守る十分な予算編成とは言えません。議員団でしっかり予算案を精査し、県民の皆さんのご期待にお応えできる予算編成になるよう力を尽くします。
10日、飾磨駅で森ゆき子市議らと朝宣伝からスタート。その後、堀内照文衆議院議員、金田峰生参議院予定候補、小林・川本両赤穂市議らと赤穂市御崎で進められている太陽光パネル設置計画地を現地視察。以前からお伝えしている通り、計画地は土砂災害警戒区域・急傾斜指定区域に隣接し、一部は山腹崩壊地域と重なり周辺には民家が密集して広がっています。しかし、太陽光パネルは法律上の建築物ではなく工作物という扱いとなっておりパネル設置に対する行政許可は一切必要ありません。自然エネルギーの普及は大いに歓迎するところですが、住民の安全・安心を確保するための法整備が追いついていないのが現状です。新たな法整備が必要です。
かんぽの宿屋上から現地を確認。
南側には瀬戸内海が広がっています。現地は風致地区にも指定されています。
現地視察後、上郡町光都にある西播磨県民局で県当局から現状・ご意見等を伺いました。
5日、製鉄記念病院救命救急センター長と姫路選出県議8名との意見交換会が製鉄病院内で行われました。
県内では民間が担っている救命救急センターは唯一製鉄記念病院のみであり、姫路市内には公立の総合病院がないため製鉄記念病院が担う救命救急医療の役割は極めて重要です。ただ、今日のセンター長のお話の大半がそうであった様に医師不足が深刻です。参考までに比較すると、公立豊岡病院では救命救急病床20床あたり14名の救急医(検討委員会資料・26年度調査。今日の報告では19名)で対応しているのに対し、製鉄記念病院では30床あたりわずか7名の救急医で24時間の救命救急医療にあたっています。センタ長ー曰く「医師は疲れ果てている。後1年もすれば製鉄病院の救命救急は崩壊しかねない」と言います。
救命救急センターだけに留まらず、医療圏域ごとで比較すると西・中播磨の医師数は県内平均を大幅に下回っています。現在兵庫県は製鉄記念病院と県立循環器病センターを統廃合することによって高度先端医療を提供し、若手医師を集めるマグネットホスピタルの新病院を整備することを推進しています。しかし過去、神戸、加古川であったように鉄鋼関係病院と公立病院の統廃合によって、個室の割合は11.6%から36.7%へ、差額ベット料も3~4万円にもなり一般患者の入院スペースが縮小されてしまいました。また、入院日数も全国平均18日のところ9日~11日になるなど患者早期追い出しなども行われています。医師不足解消と患者のための病院づくりが大きな課題です。地域一丸となった取り組みが必要です。皆さんのご意見お聞かせ下さい。
3日4日と、神戸・尼崎・伊丹・宝塚・川西等の阪神地区約10事業を管内視察。
神戸県民局で管内概要説明。ご存知の通り神戸市内は六甲山周辺に住宅街が立ち並び、六甲山を形成している花崗岩風化による土砂崩れが懸念されています。「土砂災害危険箇所の整備率は県内平均を上回っている」と、県当局はいいいますが、危険箇所あたりの人口密度は他地域の比較にならないほど危険箇所に人口が密集しています。人口密度で整備箇所の優先順位をと言うつもりはありませんが、少なくとも高規格道路等の整備よりも優先して進めるべき事業です。
湊川随道。歴史遺産として保存されている。現在は随道内でコンサートなども企画されています。
尼崎21世紀の森。1990年代に大手鉄鋼会社が撤退したことを受け県が土地を買い取り公園として整備。公園に隣接してあるのが、県が巨額の費用を投入して誘致したパナソニック尼崎工場。パナソニックも数年前に撤退。
誰一人いない芝生広場・・。
新名神高速川西インター。先日ブログでご紹介した浜坂道路と同様に、本体部分の工事については県外事業者への発注とのこと。
大型公共工事より、土砂災害対策、河川整備など地元企業が潤い県民の命を守る公共工事へ。大企業優遇から、中小業者・くらし優先の県政へ・・と改めて思う。
兵庫県西播磨県民局で進められている「田んぼダム」が2日付神戸新聞で報じられている。集中豪雨などによる河川増水対策として「田んぼダム」への期待が高まっている。
集中豪雨などによる河川増水対策には、河床掘削や堤防をかさ上げするなど河水を「流す対策」と、上流でダムなどを建設し下流への負担を軽減するための「溜める対策」がある。ダム建設については、環境破壊や巨額費用を伴うなどの理由によって見直しがされつつある。姫路市内でも「溜める対策」として、増水時の姫路競馬場のダム化や安室公園地下貯留施設などがある。学校校庭を増水時にダム化する計画も進められている。
新聞記事で報じられているのは「田んぼダム」。西播磨だけでなく、中播磨地域でも夢前川・市川上流での「田んぼダム」を、所有者の理解を得ながら進めてもらいたい。
国のもとで成立した「一億総活躍・TPP対策・防災減災事業」の補正予算編成案が1日県議会に上程されました。日本共産党からは、きだ結県議が介護士・保育士の待遇改善、非正規雇用から正規雇用への転換を求めて質疑を、庄本えつこ県議は議員の期末手当を引き上げる議案に対し反対討論、私からは下記の通り補正予算案に対する反対討論を行いました。反対討論の一部を掲載します。ご覧下さい。
反対の第2の理由は、本補正予算案の主旨とはかけ離れた地域高規格道路・国道178号浜坂道路整備事業が含まれているからです。
国交省は防災減災対策の予算執行にあたっては、基本的な考え方として「一億総活躍社会実現に向けて緊急に実施すべき対策のうち「特に緊急対応」とされているものについて、必要な経費を積み上げて計上した」とし、予算の執行にあたっては「自然災害リスクが高い地域における緊急防災対応を行う」「地域企業の活用に配慮しつつ適正な規模での発注等による人材の効率的活用」などを求めています。
県当局が示した補正予算案では防災・減災対策として、債務負担行為分も含めて約176億円が計上されています。その内の約56億円、防災減災対策費全体の約30%が浜坂道路整備に充てられています。その一方で砂防事業は約5億7千万円、治山事業は3億4千万、河川整備事業は13億6千万に留まっています。
ご存知の通り浜坂道路整備事業は総延長9800m、その内橋梁区間が685m、トンネル区間は6226mにもなり全区間の約7割がトンネルと橋梁になっている特殊技術を必要とする大型公共工事です。わが党はこれまでも浜坂道路整備事業について問題点を指摘し、反対をしてきました。
兵庫県の工事発注基準によりますと、15億円以上の大規模工事や、橋梁上部工事などを伴う特殊工事については県外企業の入札も認めています。これまでの浜坂道路の発注実績をみると、工事発注件数は67件、工事契約総額は約280億円となっています。その内、県内企業の受注件数は55件、契約額は約100億円に留まっています。一方で特殊技術を必要とする橋梁上部工事は7件ありますが、その全てを県外企業が受注し契約額は約27億円となっています。さらに、県外企業も参加可能である契約額15億円以上の大規模トンネル工事は5件あり契約額総額は153億円にもなっています。15億円以上のトンネル工事については県内、県外企業の共同企業体、いわゆるJVとの契約がされていますが、どの工事をとってみても出資割合の5割以上を県外企業が占めています。つまり、これまでの浜坂道路整備事業では工事契約総額280億円のうち、全体の約65%、契約額にすると約180億円の契約工事に県外企業が参入しているということになります。
繰り返しになりますが国交省が示した本補正予算の基本的な考え方はあくまでも地域企業の活用、地域人材の活用ということになっています。浜坂道路整備事業は本補正予算の趣旨に沿った事業とは思えません。トンネル、橋梁などを要する大型公共事業は、予算の大半がコンクリートと鉄、重機に使われ、地域企業や地域人材の活用にはなりません。
兵庫県内では、平成21年の佐用町・平成26年の丹波市など、局地的豪雨による土砂災害などで甚大な被害が発生し、県民の中でも不安が広がっており自然災害対策は喫緊の課題となっています。しかしながら県内の土砂災害整備箇所の整備率は20%台に留まっており、このままのペースで推移すればすべての危険箇所を整備するのに100年以上かかることになります。
浜坂道路整備事業が進められている但馬地域では、全産業に占める建設業者の比率は約17%で兵庫県平均の約2倍近くにもなり、建設業は但馬地域の基幹産業になっています。本補正予算の趣旨である自然災害から住民を守り、地域企業の活用・地域人材活用というのであれば、特殊技術を必要とする浜坂道路事業のような大型公共事業ではなく、砂防・治山・河川整備事業など地元業者が直接受注のできる緊急防災事業にこそ重点を置くべきです。