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トヨタ自動車08~12年度の5年間 法人税(国税分)0円 ~しんぶん赤旗~

トヨタ自動車(豊田章男社長)は、2008年度から12年度の5年間という長きにわたり法人税(国税分)を1円も払わない一方、株主には1兆円を超える配当をしたうえ、内部留保も増やしています。


グラフ:トヨタの配当額と利益剰余金の推移

 トヨタ自動車が法人税を5年間払っていなかったことは、豊田社長の5月8日の記者会見で明らかになりました。

 トヨタ自動車が「法人税ゼロ」となったきっかけは、08年のリーマン・ショックによる業績の落ち込みでした。企業の利益にかかる法人税は赤字企業には課せられません。

 しかし、その後業績は回復し、この5年間に連結で2・1兆円、単体でも0・9兆円の税引き前利益をあげています。

 それにもかかわらず、法人税ゼロとなったのは、生産の海外移転にともなう収益構造の変化によって、大企業優遇税制の恩恵をふんだんに使える体質をつくり出したからです。

 同社は、海外生産を08年度の285万台から12年度には442万台に増やし、428万台の国内生産を上回る状況になっています。この結果、「国内で生産し、輸出で稼ぐ」という従来の姿ではなく、「海外で生産し、稼いだもうけを国内に配当する」という収益構造に変化してきました。

 そのうえ、09年度からは、海外子会社からの配当を非課税にする制度がつくられ、同社はこの制度の恩恵を受けたものと思われます。さらに、同社は研究開発減税などの特例措置を受けています。

 一方、同社は株主には5年間で総額1兆542億円もの配当を行い、内部留保の主要部分である利益剰余金(連結)も、2807億円上積みしています。

 法人税が5年間ゼロとなった理由について、同社広報部は、「詳細については公開を控えさせていただきます」とコメントしています。


さらに減税するのか

表:トヨタ(単体)の経常利益と納税額

 トヨタ自動車の決算書の「法人税、住民税及び事業税」の欄をみると、09年度をのぞけば100億円以上の納税をしており、08~12年度の5年間では合計1212億円の納税をしていることになっています。

 トヨタ広報部は、「社長の豊田が(税金を納めていなかったと)申し上げたのは、国税の法人税のことです」としています。トヨタが納めていたのは住民税や事業税だけで、国税の法人税が5年間ゼロだったのは間違いないようです。

 トヨタが法人税ゼロだった理由を公開していないため、同社の決算データから推計します。

 08年秋のリーマン・ショックの影響でトヨタは販売台数が急減。このため、09、10年度は単体ベースの税引き前利益が赤字となりました。

恩恵たくさん

 08年度は税引き前利益が黒字で、課税基準となる法人所得もおそらく黒字だったと思われます。このため、住民税や事業税は納めていますが、国税の法人税には、海外子会社が外国に払った税金をトヨタ自身が払ったものとみなして法人税額から差し引く「外国税額控除」や研究費の1割程度を法人税から差し引く「試験研究費税額控除」(研究開発減税)などが適用されるため、納税額がゼロとなったものと推測できます。

 09年度からは「外国子会社配当益金不算入制度」が導入されました。これは、海外の子会社から受けた配当について税法上の益金には算入せず、その分だけ法人所得を少なく計算することで税を軽減するものです。海外子会社からの配当が多いトヨタは、この恩恵をふんだんに受けました。

 たとえば、11年度は税引き前利益が230億円の黒字でしたが、この年にトヨタが他の会社から受け取った配当は4752億円もありました。この大半が海外子会社からの配当とみられます。これらには税金が事実上かからないため、法人税がゼロとなったと思われます。

 12年度は税引き前利益が8562億円となり、配当益金不算入を考慮しても法人所得は黒字だったと思われますが、過去の法人所得の赤字分を差し引くことができる「欠損金の繰越控除制度」や研究開発減税などによって、法人税がゼロになったものとみられます。

仕組み見直す

 トヨタは13年度こそ、消費税増税前の駆け込み需要で国内販売が増加し、法人税の納税が復活しましたが、海外生産で稼ぐという構造は変わっていません。消費税増税の影響で国内販売が減れば、今後ふたたび法人税がゼロになる可能性もあります。

 消費税率の引き上げ強行が国民生活を苦しめています。しかし、トヨタは消費税をすべて価格転嫁でき、転嫁できない輸出分については「輸出戻し税」で消費税を返してもらえるため、企業自身として消費税を負担することはありません。さらに法人税までゼロで済んでいます。

 一方、政府は法人税率のいっそうの引き下げを進めようとしています。国民には大増税をおしつけながら、大企業にはさらに減税しようというのです。

 トヨタは、4月23日に「日本経済新聞」に掲載した広告で、「(消費税が上がって)家計のやりくりは大変だが、これを機会に生活を見直せば、ムダはいくらでも見つかるはず」「節約は実は生活を豊かにするのだと気づけば、増税もまた楽しからずやだ」などと言っています。自分は消費税の痛みを受けず、法人税もまともに払わないで、こんな主張をするのはいかがなものでしょうか。「見直す」というなら、大企業優遇の税の仕組みこそ見直すべきです。(清水渡)

公契約条例制定 三木市で学習会

29日は新日鉄住金広畑門前。30日は姫路駅前で街頭宣伝を行い、その後、西播地域ユニオン労組の皆さんとご一緒に兵庫県内で初めて制定された三木市公契約条例について学習するため、三木市役所に伺いました。

29日。「職場に憲法を生かす会」の皆さんと新日鉄門前で宣伝。

三木市公契約条例について、三木市職員に伺いました。三木市議の大眉市議、板東市議からも議会前で忙しい時期であるにも関わらず、丁寧にご説明をしていただきました。

公契約条例とは、自治体が発注する公共工事、委託業務などを対象に自治体自らが最低賃金を設定し、受注業者は自治体が設定した最低賃金以下で労働者を働かしてはいけないという画期的な条例です。三木市では違反事業者に対しては入札参加禁止などの厳しい措置を課します。姫路市でもそうですが、公共工事の入札現場では、低価格での受注競争が激化し70%台での落札が相次いでいます。低入札でのしわ寄せは、その下で働く建設労働者に寄せられ建設現場は低賃金で劣悪な労働条件となっています。その結果、若年者の建設業への入職が激減し、技術継承ができないという危機的状況になっています。また、小泉首相の「民間に出来ることは民間に」と言う構造改革路線によって、自治体職員削減と民間への業務委託がこの15年間急速に進められました。自治体が発注する業務委託は、単年度契約が原則となっているため、毎年入札が行われる度に落札額が低下し、そのしわ寄せがそこで働く労働者に転化されています。自治体が発注する公共工事、業務委託で劣悪で低賃金な官製ワーキングプアーが広がり、地域民間労働者の労働条件・賃金相場にも影響を与えています。小泉「構造改革路線」の負の影響に対する対処策として、公契約条例制定自治体は全国的に広がりつつあります。しかし、これだけいい条例にも関わらず、建設労働者や市委託業務で働く労働者の多くの皆さんが公契約条例を知りません。姫路市での公契約条例制定に向け、ユニオン労組とも共同して公契約条例を多くの労働者に知らせ広げる運動がまず最初の課題です。

三木市では建設労働者に対しては公共工事積算時に用いられる設計単価の90%を、委託業務で働く労働者には三木市職員高卒初任給を参考に820円を最低賃金として設定しています。(兵庫県最低賃金は761円)

設計労務単価

平和憲法9条を壊すな!!街頭宣伝

今日から国会では予算委員会が開催され、安倍首相が進める集団的自衛権行使容認についての議論が本格的に始まりました。安倍首相は6月中にも閣議決定を行い、来年には法案を提出するスケジュールです。平和憲法9条をめぐり、緊迫した国会論戦が続きます。国民運動の力で、憲法9条を守り生かす声を広げていかなくてはなりません。

昨日は、市内東部地域、今朝は英賀保駅前宣伝からスタートし「憲法9条を壊し、海外で戦争する国づくりを許すな!!」と訴えました。英賀保駅前では藤本洋前市議もマイクを持って訴えました。若い男性から「署名などはしていないのですか?」と訪ねられる場面も。先日、党中央が作ったばかりの署名用紙があったのに用意していませんでした・・ごめんなさい。

午後からは、森ゆき子市議も一緒に。夕方、下野田交差点付近。

 

安保法制懇 議事録は全面非公開

「しんぶん赤旗」が、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認などを提言した安倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤に関する懇談会」の議事録公開を請求していた件で、政府は全面非公開にする事を決定しました。日本弁護士連合会は「議事録全て不開示では、国民にコソコソ隠れて改憲を進めているのも同然。議事録は公開し、国民的議論に付すべきです」と厳しく指摘しています。

 夢前産廃問題、宮ヶ谷不法投棄問題で、私はダンボール5箱分位の情報公開請求を行い、姫路市の不作為、成臨興業の違法行為を議会で暴露し住民に明らかにしてきました。憲法に関わる公式の議事録が国民に公開されない理由が全く理解できません。政府は「率直な議論が損なわれる」「特定の委員が名指しで批判される」などを非公開の理由としていますが、そうであれば名前だけ伏せればいいのであって全面非公開の理由にはなりません。この様な事が国の見解としてまかり通るようになれば、今後、夢前町産廃問題でも、住民からの意見書に対し、専門家の意見が市長に付されますが、専門家が住民からの意見書に対しどのような見解を示したのかも「率直な議論が損なわれる」「特定の委員が名指しで批判される」という政府と同じ理由で非公開となってしまいます。政府がこの様な悪しき前例を作ってはいけません。

安倍首相が進める「解釈改憲許すな」の声広がる

25日、10時。姫路東市民センターで姫路労音60周年記念総会があり来賓としてご挨拶をさせて頂きました。姫路労音とは、私がまだ20代の時に「カメジローの青春」(沖縄人民党の瀬長亀次郎さんのドキュメンタリー映画)と言う映画を労音も加入する実行委員会形式で上映した際に、私が実行委員長を務めさせて頂いた時以来のお付き合いです。もっとも、私の実行委員長はまさに名ばかりで、実質は姫路労音の方が中心になって上映会を成功させました。当時の私の姫路労音の第一印象は、とにかく皆さん明るく元気で親切という印象でした。

姫路労音は平和憲法9条を守り生かす事を運動方針に掲げており「手に持つ武器を楽器に変えて」というスローガンのもと、これまでも共に運動を進めてきました。安倍政権の進める「憲法9条を骨抜きにする戦争する国づくりへの解釈改憲を許すな」の一致点での共同の運動をさらに強めて行く事をご挨拶の中で呼びかけさせて頂きました。

13時30分、西飾磨ふれあいセンターで「姫路南9条の会」9周年記念総会が吉田竜一弁護士を講師に招いて開催されました。「9条の会」とは、作家の大江健三郎さんなど各界で活躍されている著名な方達の呼びかけで、全国津々浦々の職場、地域、学園などで「平和憲法9条を守る」一致点での共同で組織されている団体です。全国で6000を超える「9条の会」が各地で運動しています。

今日の総会では私もご挨拶をさせて頂き「安倍首相は、秘密保護法で情報を統制し、世論を誘導し、教育委員会改悪法で、戦後厳しく戒められていた教育への政治介入を進め、侵略戦争を美化する安倍流「愛国心」を押し付けよとしている。これらの一連の総仕上げが、憲法9条の解釈改憲で海外で戦争する国づくり。国会の数では自民党は多数派だが、解釈改憲変更に対しては、どの世論調査でも反対派が多数。今こそ9条の会の出番。9条の解釈改憲を許さず、9条を守り生かす運動をさらに広げましょう」と訴えさせて頂きました。

14時。姫路商工会議所で二宮厚美神戸大学名誉教授を講師に招いての社会保障推進協議会総会が開催されました。講演のタイトルは「安倍改憲路線のなかの社会保障」。二宮教授は「安倍首相が進める競争教育、自治体間競争、企業間のグローバル競争を進める上で、一番邪魔なものが高齢者への社会保障」「現在憲法9条の解釈改憲が閣議決定でされよとしているが、憲法25条の健康で文化的な最低限度の生活・・についても解釈変更によって国の責任を放棄しようとしている」と厳しく指摘。「若い人達が維新の会や自民党を支持している割合が高いと言うが、年金支給開始年齢を75歳、80歳に引き上げよとしているのが両党。若い人が一番影響を受ける。声を上げましょう。高齢者は外野からでも安倍首相にレッドカードを突きつけましょう」と呼びかけがされました。

憲法は国民を縛るものではなく、時の権力の暴走を縛るためのものです。それが立憲主義です。時の政権による憲法解釈変更を可能とすれば、立憲主義が成り立たなくなり憲法が憲法でなくなってしまいます。あらゆる分野で「解釈改憲を許すな」の声と運動を広げるため私も力を尽くします。

消費税増税反対各界連絡会

21日、姫路駅前で消費税増税反対各界連絡会の皆さんと、宣伝、署名活動を行いました。

村原もりやす姫路民商事務局長。

消費税は導入されてから今年で26年目を迎えます。私達がこれまで支払ってきた消費税総額は約280兆円、一方で同時期に大企業の法人税率は40%→30%へと軽減され、この26年間の減税額総額は約250兆円。つまり、私達が支払った消費税がそのまますっかり大企業減税の穴埋めのたに使われたと言うのがこの26年間の事実です。自民税調は今年4月からの消費税増税、来年10月からの8%→10%への更なる消費税増税を念頭に、法人税減税の検討に入っています。

これまで、社会保障のためにと言って、消費税は導入され繰り返し増税がされてきましたが、何か一つでも良くなったと言える社会保障制度があったでしょうか?この4月からも新たに70歳になる方の医療費窓口負担は1割から2割へ、年金支給額は1%引き下げられました。その上、将来の年金支給開始年齢を75歳まで引き上げる議論も進められています。また、同時期に国、地方の借金は増え続け、国と地方を合わせた借金は1000兆円を越えました。非正規労働者の割合は全労働者の3分の1にもなり、年収200万円以下の労働者は1000万人を越えました。その一方で、利益を挙げても賃金引上げや、下請け単価引き上げに利益を還元しなかった大企業は、内部留保を277兆円と、過去最高額にまで溜め込んでいます。これでは「経済の好循環」はあり得ません。消費税増税の道では、暮らしも、財政再建も、経済も上手くいかなかったというのがこの26年間の事実です。日本共産党は消費税増税に頼らない新たな道を国民の皆さんに提言しています。日本共産党の提言全文はHPに掲載しております。是非ご覧下さい。